劇場版マクロスF
近場の映画館でやっていなかったので、新宿の某バルト9で見ました。映画自体は良かったのですが、映画館が酷かった。エレベータにずいぶんな行列が出来るほど混むのはまあ、座席指定で予約が出来るからまだいいんですが、音響が終わっていた。
なんかもう暴力的なまでに音量がでかい。担当者が
「うーん。もし、たとえば今、この劇場に耳のずいぶん遠い人がいたらどうしよう。みんな同じ値段をはらって映画を見ているのに、耳が遠い人だけ、音が聞こえないなんて事になったら、クレームを付けられるかも知れない。そんなことになったら大事だ。それに今はユニバーサルデザイン、バリアフリーの時代だ。映画館だって耳の不自由なひとに配慮するのが筋であろう。うん、音をとても大きくしよう。別に音を大きくしたって聴力に支障がない人はちゃあんと聞こえる。聞こえるなら問題いないよな。ああ、自分はなんて思慮深い人間なんだろう」
などと考えたのではないかと思うほど、音が大きい。頭が痛くなるぐらいうるさい。戦闘シーンなんか本当に終わっていて、装置の性能を超えている音量を出しているのか、音が歪んでいて声がまともに聞き取れない。マクロスなんて派手な戦闘シーンと音楽の演出を楽しむ作品なのに、一番の見せ所でこんな仕打ちはあんまりだと思う。耳をふさいだら丁度良い音量になった。ふざけろ。
そういえば、エヴァを見たときもそうだったと、見始めてから思い出すこの鳥頭め。もう二度とこの映画館に行かないぞと言う決心を込めて、ここにメモ書いておく。
以下どうでもいい感想ネタバレ有り。
・映像は大分豪華に。コンサートシーンが更に更に派手になっていたのと、フロンティア内部がスゴイ広がりを感じられるように表現されていて良かった。
・セグウェイっぽいのがいっぱい出てきて未来っぽい!!
・TVで好きだった演出が変えられていたのが最初は気になった。最初のコンサートシーンでの戦闘シーンとのシンクロとか。でも新規映像がスゴイ良かったのですぐ気にならなくなった。
・TVでは何が何だかよく分からなかったもと歌舞伎役者設定が結構いかされているような気がした。その分ランカ周りの話が大分省略されている。そういえば女形菊之介が最近再開したとか何とか。
・これTV版7話までだよなあ。次はどうやってまとめるんだろう。大分話が変わっているからそのまま対応付けされるわけでもないんだろうけど。劇場版グレンラガンみたいまとめ方はチョット嫌だ。
・移民船団間の関係がよく分からないからというのもあるのかも知れないけど、シェリルにスパイ疑惑がかかったときの話の流れが陰謀論者的というかMMR的でなんとなく笑えた。
・というかもともとバジュラについての知識があり、異星人で母星があるという知識があるはずなのにバジュラは脳が小さい→生物兵器→ギャラクシーの陰謀だ! はチョットなあ。もともとそこまで関係が悪かったのか何なのか。
・この時点でランカにスパイが取り入るだけの価値があると判断するのもわかんない。親にバジュラの研究者をもつ&バジュラ禍を生き残っただけだよな。
・他船団のSOSを無視するって言うのは相当な事だと思うんだけど、そんな陰謀論では納得できない。川端裕人「クジラを捕って、考えた」のグリーンピースの下りを思い出して何とも言えない気分になる。
・工場ステージはどうよ。
・なんてグチグチかんがえててもライオンのイントロがかかるだけで自動的にテンションが上がってしまう。悲しいような嬉しいような。
・あとシェリルが自分がSMSを雇うわ! てなとこは格好よかった。
・完結編はバルト9以外で見るぞ! ともう一度書いておく。
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このまえポニョを見ました。毀誉褒貶が激しいというか、わりと低く評価する人も多いけど、僕は物凄く楽しく見られました。パソコンで映像作品を見ると三十分とかのでも集中力が持たないのですが、これは泣きながら一気に見られた。ハウルが全然楽しめなかったので、どうだろうなあと思いながら見始めたのですが、改めて宮崎駿は化け物のようだと思わされました。
ポニョははあれですね、夢ですね。ポニョを見るのは夢を見るのに近いですね。そういう意味でつまらないという人が居るのもわかるはわかります。多分そういう人は筋の通った話を期待しているんでしょう。そうしてみるとポニョは確かに人の夢の話を聞かされるのにも似たつまらなさがあるのかも知れません。だからなに? とか意味分からない。とかなるんでしょう。ちがうんですよ。ポニョを見るのは体験なんですよ。あのスゴイ夢を見たときの感じ。現実世界を元にしながらも一歩外に踏み出した、超自然的な体験。スゴイモノを見たという気持ちだけ空回りして言葉にしても全く伝わらないアレを、置きながら目と耳で体験させてくれるのがポニョなのです。唐突な展開も、一見意味の分からないシーンもどれも夢の論理で考えれば、まったく何も不思議もない。起きながら確かに夢を見ていると思わせるそれだけの強度があるんですよ。ポニョには。これはラピュタのようにそつなく面白い話の作りとは全く違う次元で作られた映画ですね。これを見ると、自分が映画を見るときに、それが初めて見るモノでも如何に先入観や期待を持って見ているのか思い知らされる。いやでも、コレを楽しめて良かった、自分もまだ捨てたものではないなあと思いました。こういう様式化されていない生のファンタジーを今でもキチンと味わえるとは思わなかった。台風の次の日朝起きると、物凄く晴れているのだけれど、家の周りが全部水没していて、何時もとおる道を古代魚が泳いでいる。そこを巨大化した玩具の船で進んでいくとか、ホントどきどきしました。
剣と魔法しか読まないような人に是非見て貰いたい。これこそファンタジーだ!