行くぜ! 院に!(倒置法)
こんにちは。院試を受けなくても院にいけることになったカッコイイ巽です。
どれだけカッコイイかというと、推薦を取るために、本郷にさようならを告げるぐらいの男らしいかっこよさです。
惚れました?
まあさよなら本郷といっても、柏に行くわけではありません。ほら、なんというか柏って、どちらかというと日本じゃなさそうな雰囲気を醸し出しているじゃないですか。何もないって言うし、地平線が見えると言うし、荒涼とした風が吹き抜けるとか言うし、レイソルとか日本語じゃなさそうだし。テンソルにちょっと似ているし。いや、行ったことがないし知りませんけど。
要約すると、柏は有り得ないと言うことです。
いや、別に柏を差別しているわけではなく、物理的に本郷から一時間半は辛いですよね、という単にそれだけです、よ?
つまりはうちの学科の人間以外ほとんど知らないと思われるキャンパスに配属された、というか配属されるという事です。とはいっても本郷と秋葉原と正三角形が描けるぐらいの距離なので、引っ越す必要もないしどうと言うこともないのですが。
院の推薦とれたというと僕がきわめて優秀な学生のように思ってしまう方もいるかもしれないので一応補足。
普通、院の推薦がもらえる人は非常に少ないものです。工学部でも五人とか十人とか、他の学部になると全然無いのではないでしょうか。
しかしうちの学科は非常に変わっていて、なんと三十人も大学院に推薦をします。百二十人中三十人なので、だいたい四人に一人のひとが推薦をもらえるわけです。すごいですね。そして僕の場合は聞いたところ二十番台後半だったようです。学科に入ってからあまりまじめにテスト勉強していなかったにしては、僕の成績も結構捨てたものでもないとは思いましたが、極めて優秀と言うのはちょっと語弊があります。一桁台だったら僕は超優秀なので推薦がもらえたんだよと自慢の一つもかますところですが、これでは結構優秀だったから推薦がもらえたんだ! という程度です。あ、でも自慢になってる。
あと教養時代の成績も反映されるという噂もあり、実際学科での成績がほとんど変わらない友人が推薦から漏れたことを考えると、教養の成績は結構大きかったのかもしれません。割とまじめにテスト勉強していた昔の自分に感謝。
とまあそれだけだったら真のハッピーエンドなのですが、そうは問屋が卸さない、となるわけで。普通順当に行けば、卒論配属された研究室の推薦をもらうのですが、僕が二十番台後半だったために、既に推薦枠が埋まってしまっていました。ちなみに推薦は各研究室に一人ずつだけしか枠がありません。あとで本人から聞いたのですが、柏の研究室に卒論配属された人が、院で柏に行きたくなかった人が僕の研究室の推薦を希望してしまったようです。で、決まったと。なんかあやまられてしまったので、あやまられても困ってしまうわけですが僕が困ったのは君のせいなのでもっと謝れ、という気分でした。
やはりみんな出来るだけ本郷に居たいようで、僕の行きたい本郷の研究室は全て推薦枠が埋まっていました。
ちなみに以上の情報は院への進学に関する面接の中でで得た情報です。これをふまえて、君はどうしたい、と聞かれるわけです。君の希望している研究室にどうしても行きたいなら、推薦は諦めて試験を受けろ。でもあいている研究室を希望するなら推薦をあげるよ、と。
「今決めるのですか?」
今決めるの
「あとでやっぱやめたとか出来ますか?」
駄目
「そうですか」
そう
「えーと」
面接をしている学科長の前で硬直する僕。ちなみに学科長は人当たりのいい温厚な風味の方なのですが、その実とても怖い方であるというのが学科のみんなの共通意見だったりします。それに関するエピソードはいくつかあるわけですが、割愛。
無言でじっと待つ学科長。とりあえず僕の興味ありそうなことをやってそうな研究室のことを聞きつつ間を持たそうとする僕。誠実に答えてくれる学科長。追いつめられる僕。無言の学科長。感じる視線の圧力(気のせい)。
考えろ自分と自分。
まず問題になるのは院試をどれだけ受けたくないかと言うことだ。
とても受けたくない。
いやでも内部進学だし、受ければ多分受かる。
でも受けたくない。
何故だろうか?
TOEFLが怖い。英語怖い。落ちるのこわい。まんじゅうこわい。
OK。冷静に慣れナイスガイ。院試受けたくないのは分かった。でも院試受けないと今居る研究室には行けないんだぜナイスガイ。
……でもよく考えると今居るところ第一希望じゃなかったし。
でも既にいろいろお世話になっているじゃないか。これからも世話になるだろうしナイスガイ。
……でもよく考えると今居るところ第一希望じゃなかったし。
OK、OK。負けたよヘタレガイ。院試は受けないと?
だってこわいんだもの。だって院試がなければ八月までもバラ色生活だもの。
でもよく考えろ。あとたったの四ヶ月だ。たったの四ヶ月頑張って希望の研究室行くのと、いまへたれて行きたくもない研究室にいって二年間修士生活を送るのか?
……でもよく考えると今居るところ第一希望じゃなかったし、第一希望だったところにもいけなさそうだし。
OK、じゃあどこの研究室を希望するんだ?
まずどのキャンパスにするのか考えなければいけない。考えろ。柏は有り得ない。ちょっと興味ある研究室もあるけど柏は物理的に困難なので、柏は有り得ない。駒場、駒場はまあ悪くないんだが、正直今の家からかようのは難儀だし、そもそも何で引っ越したの? という話になるし、引っ越しは就職するまでいやなので有り得ない。よって駒場もなしという方向で善処していきたいと前向きに考えています。秋葉原。推薦枠がないので論外。あとで聞いた話だと受ければ余裕で受かるらしい。いうの遅いよ勘弁してよ。相模原? どこそこ。
つまり本郷しか残っていない。しかし、本郷のめぼしい研究室はすでに先人たちによって焼き野原にされている。風の吹きすさぶ荒野で、やりたくもない音声認識をやるのはそれはそれで切ないものがある。
なにか見落としていないか。何か。
一ツ橋キャンパス
それだーーーーーー!!
情報検索
これだーーーーーー!!
「ではここの研究室の推薦をいただけないでしょうか」
「いいよー」
面接終了
という次第で僕の進路、また十分で決まっちゃったわけです。
なんか振り返ってみると僕の人生その場その場の脊髄反射で決まっていっているのですが、まあ進路について真剣に考えるというのは僕には不可能なようなので、いいかなとも思います。それでいままで割と納得できる進路を歩んでこれたし。
いい……か
いいのか?
ま、いっか。
で、今日の夜、卒論配属された研究室で歓迎会があったのですが、先生に別の研究室決まったこと言い出せませんでした。いや、どうも、ねえ?
という一日。
まあとりあえず僕は明日からゴールデンウィーーーーク!!!! なので
まあよし、グッドだ! がはは!