2004年11月27日

記憶と忘却は一セット

 このサイトを見ている人はだいたい知人だと思うので知っていると思いますが、私は記憶力があまりよくありません。どれくらい悪いかというと、もしドラえもんの道具で全世界の人間が私並みの記憶力しかなかったら、社会が崩壊するのではないかと云うぐらい。やばいですよ、もうみんな彼女とか出来ないし子供が生まれないから人口問題大解決。というか人類大滅亡。めくるめくカタストロフィー。時間旅行家も遙か未来にモーロック族もエロイ族も見いだせません。
 思うにそれは記憶力の問題ではないですね。
 記憶力です。記憶力の話です。
 しかしまあ自分で云うのも何ですが、ものを覚えるのはそんなに苦手ではないのですよ。試験とか良い点とれるし? みたいな。そんな感じで。例えば人の名前を覚えるのが得意でないっつっても人並み程度だと思います。一度聞いただけでクラス全員の名前を覚えてしまう人なんかあんまり居ないわけだし、普通は何度か聞くうちに覚えるものです。きっとそうだと思いたいのです。
 では私の記憶力が何故あまりよろしくないかというと、それはあれですよ、私の脳みその忘却力がすごすぎるということなんですよ。まあ私ぐらいの人間になったら欠点もすごすぎると云わざるをえない気分を隠すことも出来なく今一人で筋少を聞きながらキーボードをたたいていると考えがまとまらないので筋少は単純作業のときにしかBGMにできないなあと思って居るんですよ。よし、アルフィーにかえた。オーブ大好き。
 忘却力。
 人間が一度に考えられることなどたかがしれているわけで、それが私になるとさらに云うまでもない事です。もし私が記憶(する)能力がずば抜けている男で忘却力が貧弱であったら、それはもう、大変ですよこれ。なんか考え事をしていたら、考えている対象からいろいろなことを思い出していって全然考えることにならないんですよ。
 帰宅途中考え事をして居るんですよ。あー課題のプログラムどうしようかなー。先生のプログラムコメントゼロは有り得ないよなあ。せんせいって云えば宣誓僕たち私たちはスポーツマンシップに乗っ取り正々堂々戦うことをここに近いますを先生に誓って居るんだと思っていたなあ。それと乗っ取りの漢字がまちがっているようなきがするなあ。だいたいスポーツマンシップってなんだよ脂肪率の足りない人間が山と乗っている変な船かよ。あれでもこの漢字なら良さそうだなあ。
 とまあ記憶力と関係ないような気がしてきましたが。忘却力が優れている人間が忘却力の劣った人間がどう考えるかなんて分かりませんよ!!! ああ、もう何で能力の低い人間の考えをシミュレートしなきゃならんのですか!
 つまりこう考えがまとまらないと云いたいのですよ。忘却力が劣っていると。何か考えているときに集中するためには、いや別に思考に限定しなくても、もう既に不必要になった情報を記憶しておくのは無駄というか不便だと云わざるをえないと思いませんか? ゴミファイルがハードディスクにたまってる載って嫌じゃないですか?
 僕の脳みそは少しでも不必要だと思った記憶はすぐに破棄してしまう非常にスピーディ且つ効率の良い構成になっているのです。だいたい皆さん、昔のことなんか記憶していて何が楽しいというのですか。人がカッター振り回しただの椅子で殴ろうとして逆にぶん殴られたとかなんだとか。楽しいですか? そうですか、それはよかったですねー。バイバーイ、そして永久に。もう二度と会うことはないでしょう。
 小中学生の頃の記憶なんて何の役に立つというのですか。無意味。さっきすれ違った美人の眼鏡のお姉さんの出身地の名産品に含まれている添加物の数よりも価値がありません。
 従って当然の事ながら私の優秀と言わざるをえない脳はそのような下らない記憶はだいたいゴミ箱、ぽいっ!! そんな素晴らしい働きに私の脳みその感情を司る部位は感動物質の分泌をためらうことはないのです。
 考えてみましょう。世の中では忘却能力の劣った人間を素晴らしいと思う一種ゆがんだ風潮があるように感じられます。しかし、忘却能力に優れているというのは様々な素晴らしいことがあるのです。
 普通嫌なことがあったらなかなか忘れられないものです。しかし、忘却能力に優れた人間は違います。たとえものすごく嫌なことがあって深く沈みきった気分を味わったとして、立ち直るのに長い時間を要しません。いやだったことを忘れてしまうからです。もし何があったかを覚えていたとしてもその事実とともにあった感情を忘れてしまうので、とても冷静に思い返すことが出来ます。私も前とても嫌なことがあったのですが、もう忘れてしまいました。あったと思うのですが……いや、なかったかな?
 他にも気持ち悪いものを見てもすぐ忘れてしまい、あまつさせ「そんなもの見たっけ」なんて云ってしまうのです。なんて幸せな自分なのでしょう。
 他にも色々あります。
 私はSFを読むのが趣味といえば趣味なのですが、SFの内容なんて役に立つことはほとんど無いので読んでもだいたい内容を忘れてしまいます。だから一度買った本も少し時間をあければまるで初めて読んだかのように楽しむことが出来るのです! しかし忘却能力の欠如した人間は一度読んだ本は二度と新鮮に楽しめない上に、これからその本を読もうとしている人間に対して偉そうに内容を説明したあげく、殺意を抱かれるわけです。ワーカワイソーウ!!
 忘却能力に優れていたらそんなことはありません。
 これはもちろん小説ではなくても映画でもゲームでも何でも当てはまるわけです。持っている本を何度でも楽しめるのだからとっても経済的ですね! お財布もニコニコ笑っていますよ。
 勉強だってそうです。普通の人間は一度頑張って理解してしまえば、その分野に関してはもう二度と理解する至上の喜びをえることは出来ないのですが、私のように優れた人間であれば同じ分野で何度でも理解する喜びを味わうことが出来るのですよ。勉強好きにとってこれほど素晴らしいことはないのではないでしょうか。いや、私は好きではないですよ、別に。
 まあ、こんなのは忘却能力に優れていることによってえられる利点のごく一部にすぎないのですが、あれこれ例示しても仕方がないのでこの辺にしておきます。忘れちゃったし。
 そろそろ面倒になったのでまとめると、忘却能力に優れている人間は劣っている人間よりも素晴らしいと云うことです。なんたって劣っている人間は劣っているんですから! それともし私が何か忘れててもああ、この男は忘却能力に優れている素晴らしい人間なんだから仕方がないと、春の太陽のように暖かい目で見守って下さいと云うことです。
 いや何云いたいかって、昔の知り合いとかに声かけられても名前思い出せなくて困ることが多いんですよ。そもそも顔が分からないことも多いけど。しかしむしろ覚えていないことが標準なのでむしろ覚えていたら褒めて下さい。あと今の知り合いも、会わなくなって何年かしたら忘れる可能性は高いと思うのでよろしく。