2008年12月31日

年末気分!

今年(2008年)を振り返る気分。えーと今年何かあったっけ。何事もなくそれなりに過ぎた気がする。あ、でも就職して社会人風味になった。しかし当たり前に使っているけど、社会人ってなに? 社会国という国家があってそこの国籍を手に入れたとかそんな感じ? ソ連とか? 二重国籍? 
そういえば修論書いたよ。修論今年だ。ずいぶん前な気がするけど、今年だった。修論の思い出というと同期のおかげで妙に早く書き終わってコミティアに参加できたことと、この内容でいいのかという疑問を握りつぶして論文を仕立て上げたという思い出しか残っていない。
よかったみたい。
修論は内容じゃない! ハートだ! 卒業したいという熱いパッションが!! 

就職はアレですね、色々あった気もするしなかった気もするんですが、書くようなこともな気がする。経済的に親から独立できるというのはうれしいものです。
しかし自分のアウトプットは他人にとって無意味かつ無価値であると考えることで、色々精神安定を図っていたわけですが、お金をもらっている異常そうもいっていられないのでどうしようかと思う。
コペルニクス的転回が必要だ!
とりあえず来年の目標としては、フィジカルとメンタルで健康を損なわないようにぼちぼちやっていきたいと思う。頑張らないぞ!!


今年買った中で一番しょうもなかったもの。
黄金頭剣山
目眩がするほどくだらない。さらに云うとこれで三千円超。
もっとシリコン的な微妙な感触を期待していたんですが、全力でプラスチックだった。なんかこー、プラスチックの単調な堅さで頭を刺激しても、期待したようなザワザワ考えられない。プラスチックの堅さでも、もうちょっと先端が細ければ感触も違ったと思うんですが。
まだ指の爪で刺激するのには全然敵わない。


今年読んだ本で割と印象に残っているものを上げてみる。今年は割と読む手を広げられた気もするけど、その分よく忘れている。読んでいる数で云うと、コレまでで一番多いのだけど、見返してみるとほとんど覚えていない。難しい内容は特に。
どうしても小説の法が印象に残っているもんですねー。
ただ当たりの本はすごい多かった。


小説
アゴタ・クリストフの「悪童日記」の三部作。おもしろい。読んでいる前提を一撃で覆されるのが衝撃的だった。「隣の家の少女」。ケッチャム恐ろしい。人の悪意と弱さの最悪の結末を丹念に描かれる。「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」。これも虐待小説。ケッチャムと併せて最悪の読後感だった。すばらしい。
「天体の回転について」。小林泰三のSF短編集の新作。軌道エレベータを題材にした超ストイックな表題作が一番印象に残っている。映画の「300」のパロディっぽい「300万」がすごく笑えた。
「少女七竈と七人の悲しい大人」桜庭一樹をボチボチ読んでいます。「GOSICK」とかもよかったけど、現代を舞台にしながら幻想的な雰囲気を漂わせるコレが一番印象にのこっている。「青少年のための読書倶楽部」もマリみて読者だった自分には心にくる作品だった。
ガルシア・マルケスはいつか読みたいと思っていたけど、桜庭一樹が南米のマジック・リアリズムに影響を受けているというのを読んで「百年の孤独」を読んだ。とにかくすごかった。なるほど幻想的な現実感。怒濤のように押し寄せる「現実」に圧倒される。「エレンディラ」も良かったけど、収録作が全篇「族長の秋(ガルシア・マルケス全集)」に収録されていることにちょっと絶望した。
誰でも知っている小説にももっと手を出していきたいなあと思う。
小説と言っていいのかわからないけど、「新訳アーサー王伝説」。登場人物とか時代背景とかを把握できれば、こういう神話とか伝説とかも楽しめるかもしれないと思えた。「ケルト神話」神話部分はともかく、人の時代のお話はおもしろかった。さりげなくフルメタル・パニックの元ネタなども見つかったりする。
「くらやみの速さはどれくらい」タイトル最強。最強すぎる。内容も良かったけど、タイトルが良すぎて良すぎて。「エピデミック」川端裕人は書く対象をものすごく丹念に取材しているなあと思う。
ライトノベル「ぼくらのalternative」は良かった。本当に良かった。原作マンガも大好きだけど、その作品に正面からぶつかって打ち負かすほどのノベライズが有りうるのだと思わなかった。原作はまだ完結していないのでまだ分からないが。「とらドラ!」こういうラブコメにはまると思わなかった。けど、最高!! 大好き。サイトで確認したらアニメはずいぶん進度が速いようで、原作追いつきそうだけどどうするんだろう。
「AURA」「人類は衰退しました」で読み始めた田中ロミオだけど、ずいぶん雰囲気がちがって驚いた。ドロドロする題材だし、心に痛いないようだけど気持ちの良い終わり方だった。「Fate/Zero」も良かった。超虚淵玄節。個人的には余裕で原作越えー。思わず原作をやり直してしまった。
「ソリッドファイター」まさかこの作品が最後まで読めるとは思わなかった。そして期待に違わぬおもしろさ。なんでコレが出なかったんだ。つーかグッズ扱いしないで普通に流通させろよ!
「天の光は全て星」この作者のSFでこんなに感動するとは。


小説以外。
「自分探しが止まらない」自分探しとか、職業「旅人」とかに対するモンニョリした気分を上手くすくい上げてくれる。あまり見下すような雰囲気もなく好感触。「動物園に出来ること」川端裕人。行くことがあまりないと云うこともあって、見せ物としての動物園の印象しかなかったけど、その裏側でどういう使命を持ち何を考えて動物園が運営されているのかなどを知ることができ、目から鱗が落ちた。こういう身近にあるようで自分の全く知らない世界を見せてくれる本は素敵だ。
「その数学が戦略を決める」ITが専門家を淘汰するのかもしれないという未来の可能性を見せてくれた本。すばらしい。こういうのに希望を持つのに反発する人もいるのかもしれないけど、個人的には夢が広がりまくる。「人間にしかできないこと」のなんと少ないことか。というか、そんなものないと思う。
「南極一号物語」ダッチワイふぅ〜。
「宇宙旅行はエレベーターで」宇宙エレベーターがココまで現実的に考えられているとは思わなかった。十年後完成のニュースを見ても、驚かないぜ! というか日本がやってくれないかなあ。「アフリカ・レポート」なんでこう、なっちゃうんだろうなあと思ってしまう。「やせれば美人」ダイエットを取り巻く状況をおもしろおかしく。
「銃・病原菌・鉄」すごかった。初めて歴史はおもしろいのかもしれないと思えた。こういう適切な視点というか意識というか切り口をもてれば楽しめるんだなあと。
「学力低下は錯覚である」学力低下に辟易することが同期となった調査の結果がタイトルなのはおもしろい。
「戦争における人殺しの心理学」人は人を殺せないものなのだなあと感銘を受けた。でもそれは文化的社会的なものに支えられているのだろうと思うし、一般化するには研究対象が偏っているように思えた。


どうも僕は統計などを使って、社会一般で流布している通説が間違っていることを論ずるようなストーリの本が好きらしい。社会を扱うようなノンフィクションでは。なんといか、カタルシスがあるんですね、多分。
あと、科学や技術の発展が、世界をドラスティックにかもしれないという本。そういう方面の割と積極的にに扱っているのが好き。脳みそをいじるお話とかね。カーツワイルの方角。
逆にモラルとか人間らしさとか。神の領域を侵すとか、そういうのには辟易する。実際はバランスをとって行かないといけないんですが。


2009年もおもしろい本が読めますように!


アニメ。だいたい1クールに二作品。
「絶望先生」「墓場鬼太郎」「マクロスF」「コードギアス」「サンレッド」「かんなぎ」
どれも面白かった。
マクロスFのサントラは今でも聴きまくってる。コードギアスもhitomiの曲が良い。最終回の「continuous story」は曲だけで泣ける。
「かんなぎ」はおわっちゃった。良い終わりだったけど、続きもみたい。
一月から何を見よう。


という平和な一年。
2009年も平穏に満ちた一年になるようにしたい。