2004年07月20日

食人エイリアンによる人間牧場の恐怖


 もうね、暑すぎるんですよ。だいたいね、39度とかさ、明らかに人間の住むところじゃないし。間違ってるんですよ。なんか社会制度とか、政治とか。知らないけど。そもそもなんで39度とか人外の気温の街にさ、1200万人もすんでるの? みんなアホ? マゾですか。俺はマゾではないけどアホですよ。ねえ。地元なんか最高気温25度とかいっているのですよ。僕はこの東京砂漠でいったい何をしているのですか。テスト勉強ですか。僕にはあなたがいないのでつらすぎるんです東京砂漠。あーもーむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく。お腹が元気でそら腹も立つっつーの。気温差15度って同じ国ですか。違う国ですか。あれか、ムツゴロウ王国か。そらライオンに指も食われるわ。栄養満点で旨かろうか。涼しくて食欲もわくんでしょーなー。ねー。もー。北は春ですかー。秋ですかー。だるまストーブがないから夏ですねー!!!! 夏はいいですね。ビールが旨いですねー。カーッと炎天下でビールを一気飲みは旨いですかー。でもねえ僕は下戸なんですよ。下戸。もっとね夏は下戸に気を遣うべきなんですよ。さりげないやさしさ。そんな日本的な心意気を下戸の僕は求めてやまない。いつから夏は優しさを失ってしまったのだろう。きっとそれは現代社会が便利さと引き替えに失ったものなのだろう。だが、それでいいのだろうか。日本人は昔から受け継がれてきた素晴らしい精神文化を次代に受け渡すべく、夏を涼しくするべきなのだ。

 と、いうのがこの猛暑に苦しむ一般人の考える一般的な思考の平均的な例です(サンプル数1)。しかし私は猛暑のなか木陰でアイスを食いながらぼうっとしている日本人男子大学生の心理を研究しているあいだに、この世界の恐ろしい真実に気がついてしまったのです。
 そう、真実は常に残酷だけど、私たちはいつまでもそこから目をそらして生きていけるわけではないのです。いつかはこの世のまことに向き合う時がくるのです。
それが今です。
 なんと、この地球は恐るべき食人エイリアンによって搾取されていたのです。(なんだってーーーー!!!)
 このような結論を支持する証拠はちゃんとあります。しかも身近に。
 それは近年の東京の異常な猛暑です。もともと東京は暑いとは云っても、それほどではなかったと聞きます。データは探してないんでよくわからんのですが昔はずいぶんと涼しかったようです。
 それがたったの数十年で有り得ないぐらい暑い街にトランスフォームしてるんですよ。明らかにおかしい。自然現象じゃない。なんか巨大で異質な意志の存在を感じます。
 そう、それこそが地球外生命体、恐るべきエイリアンどもです。
 ちょっとまてよ、そんなものを仮定しなくても(仮定ってか存在するんですけどね)ヒートアイランド現象とかで論理的科学的に説明できるだろう。というひともいると思います。
 でもねえ、それってちょっと人間中心主義がすぎるんじゃないかと思うんですよ。ちょっと科学が発展したからっていいきになってるんじゃないでしょうか。だいたいさ人間ごときがそんな年間平均気温を二度も三度もあげられるわけないじゃない。舗装道路? 緑地面積の減少? エアコン? そりゃーどーもよーござんしたねー。ハッピーですかー?
 つか冷房って空気冷やしてるんだからさ、そんな気温上昇の原因なわけないじゃない。馬鹿? もしかしてみんな馬鹿ですか。括弧笑。
 みんな論理的に考えようよ。そりゃアスファルトの照り返しとかは暑いけどさ、そんなのたいしたことないし、きっとエアコンが冷やしている分でキャンセルされるはずです。最近なんてどこでも冷房かかってるじゃん。みんな頑張って冷やしているのに気温が上昇してるってのはやっぱり人間以外の要因を考えざるを得ないんですよ。
 そしたらやっぱり地球圏外高度知的生命体の存在は明らかなんですよ。彼らはですねえ、あれですよ、温室効果ってヤツを利用しているんですよ。熱が入ったらにがさんぞ!! みたいな。つまりはですね、東京の上におーきなビニールシートみたいなものをかぶせちゃってるんですよ。なんといか東京自体がとてつもなく大きな温室になっているという感じです。だから夏のぎらぎらとした太陽光線にのって運ばれたエネルギーが逃げることが出来なくて、東京の気温が上がっちゃってるんですよ。ほら、温室のなかって暑いじゃないですか。そしたら今日みたいな異常な猛暑も論理的に説明できる。
 東京は温室だったんですよ!
 いやもちろん私だって馬鹿じゃあないですよ。馬鹿だと思っている人も多いみたいですけどね! 
 東京の上に本当にビニールシートがあったら地球外生命体に比べて文明レベルが劣る地球人にだって気づかれますよ。東京なんて狂ったように飛行機が発着しますからね。ええ、ビニールシートがあったら飛行機事故が多発ですよ。ワハハハハ。
 ですけどね、彼らはスゴイんですよ。スゴイ科学技術をもっているんですよ。で、ハインライン先生も十分に発達した科学技術は魔法と区別が付かないとかなんかそんなニュアンスのことを云っているじゃないですか。だから彼らは魔法みたいなことをしてるんですよ。上空になんかエネルギーを逃がさない不思議な力場みたいなのをつくっちゃってるとか。
 まあね、そんな感じで人間どもにはわかんないスゲー装置で恐るべき巨大な東京温室をつくってしまってるんですよ、彼らは。イーティーどもは。
 もちろん、何の目的もなくて東京温室を創るはずがありません。彼らだって暇じゃないし、お金が無限にあるわけでもない。ボランティアじゃねえんだぞ!!! 
 で、ここで温室の類推を広げるわけです。温室のなかではなにをしますか?
 食い物を育てます。
 OH!
 そう、醜い異星人どもはこの東京温室をつかってかれらの好物を育てようとしているのです。では好物とは何か。東京にあるものといったら無数の建造物と人混みと人混みと人混みと鳩とカラスぐらいです。
 ではっきりいって建造物なんて食いたくないし、鳩もカラスもまずそうです。といったら残るのは人間! 彼らは人間を食そうとしているのです。え、普通人間も食べたくないだろうって? 馬鹿ですねえ、奴らはそもそもこの地球上の生命体ですら無いんですよ。そんな人間の考え方で類推したって意味無いんですよ。そこんとこははっきり理解して欲しいですよ、全く。
 というわけで地球外生命体たちはこの東京温室をつかって、食用人間を作っているんですよ。よくわからないけど、湿度が高くて温度が高い気候だとなんか彼らにとっておいしい人間ができるに違いない。そう考えると首都圏に人口が集中しているのも納得できます。
 彼らは卓越した科学技術を用いた、高度な心理操作で、日本国民を東京に集めているのです。そしてこの東京温室で人間を食用にかえて失踪者をよそおってさらってくっちまってるんですよ。
 そう、東京温室はエイリアンによる巨大な人間牧場だったのです!!
 そしてこの異常気象を考えるに、彼らの計画はもう最終段階に来ていると考えていいでしょう。折しも失踪者が増えるこの時期……
 そう、私たちは……何もかも、遅すぎたんだ……