2012年10月28日

Windows 8 製品版を使ってみた感想

Windows8入れたのに画面タッチしても反応しない!? というニュースが面白かったんだが、それはともかくProを買ってみた。6000円ぐらい。 日本でダウンロード販売の発表がなかったからAmazonで予約してパッケージで買ってしまったが普通に発売と同時にダウンロード販売が開始されたので失敗した気がする。
高いし、ブツが邪魔だし。
まあいいや。

ちょっと触った感じRP版とほとんど変わっていない。というか違いが分からん。
ただRP使っていた時点では8の一番大きな特徴であるModernUIのアプリが全然そろっていなかったので、8の善し悪しは判断できなかった。
RTM版も経てさすがに今はかなりそろってきているので、せっかくなのでモダンアプリをメインにPCを使おうと思う。どうせサブ機なので。

しかし7と同じようにする方法! みたいな記事を見かけるが、なんでわざわざ8を買ってまでそうするのか謎だよな。7と同じようにしたいなら7で良いじゃん。7は良く出来ていると思うし、XPの状況をみるに2020年ぐらいまではサポートするだろうから、特に8に変える理由もない。

以下手持ちのノートPCに入れてModerUIメインで使ってみた感想。

□OS周り
・スタート画面はまあ、良いんじゃないだろうか。アプリのランチャーとしては特に不満はない。ライブタイルがあまり役にも立っていないというのはあるので、そこはどうにかした方が良いと思うけど。あとデフォルトアプリが似たようなアイコンばかりで視認しづらいというのは良くないかな。
デスクトップがメイン使用だと邪魔かも知れないけど、正直7でもスタートメニュー使う事なんてあんまりないしなあ。よく使うアプリはタスクバーにPINして、その他のアプリはLaunchyから使えば問題なし。
ただWindowsキーの一度押しだけで使えた横断的な検索が消滅したのは今一だわ。

・チャームはかなり良い。検索や設定、他アプリとの連携などほぼ全てのアプリが持っていて、かつよく使う機能を同じインタフェースにまとめてるため、一度慣れればかなり有用だと思う。印刷がデバイスから呼び出せるというのはちょっと分かりづらいところでもあるけど。
あとは乗り換え検索のように検索条件をつけた検索をする場合にアプリ側からインタフェースを拡張することが出来れば完璧だったんだが。

・画面分割して最大二つのアプリを同時に使える、スナップ機能は多少使い方が煩雑な気もするが、ツイッターのタイムラインを監視しながら無限インターネットとか簡単にできるのでグレートだと思う。タブレットとしてみた場合、iOSに対する明確な優位点だと思うけど、多分知らない人が多いと思われる機能だ。知れ。
ただPCとしてみた場合、最大二アプリで分割も1/3と2/3だけなので、ツイッターしてニコニコを見ながらウェブサーフィンをするというデスクトップだと簡単に出来たことは勿論出来ない。うーむ。
また、ちっさいほうをどう表示するかはアプリに依るので、ものによっては使い物にならない。うーむ。

あとはModernUI版のファイルエクスプローラーも欲しかったとか、ModernUI版のコントロールパネルがデスクトップ版に比べて設定できること少なすぎるとか(わざとのような気もするが)、MetroUIという呼称に対してModernUIという呼称がダサいとか細かい不満はあるが、大筋において8に対する不満はない。
ただModernUIアプリ、テメーは別だ。

□アプリ
正直いくつかModernUIアプリを使ってみたが、どれも使い勝手にかなり不満がある。おそらくMicrosoftのデザインガイドラインに問題があるんだろう。
個人的に感じた大きな不満は、以下の三つ。上二つは結構致命的だ。

・情報の一覧性、アクセス性が低い
・画面遷移が多すぎる。
・スナップ表示で小さい方の作りが微妙。

・ModernUIは一つのアイテムをブロック状のアイコンで表示して、その一まとまりをグループにして、横にフラットに並べるインタフェースが多い。非常に多い。まずスタート画面からしてそうだ。ただこのインタフェースが使いやすい場面は非常に限られると思う。しかしいろんなアプリで使われる。クソだとしかいいようがない。

Win8App.png

たとえばアプリを入手できるストアアプリでは、スポットライト、ゲーム、写真、書籍、といった感じでカテゴリが分かれていて、それぞれのカテゴリ毎に、三つほどのフィーチャーされているアプリのアイコンと、残りのアプリを表示する画面へのリンクがある。そして全てのカテゴリがフラットに横に並んでいる。
しかし残念なことに、カテゴリ一覧がどこにも存在しない。個人的な理想としては、スポットライト+カテゴリ一覧がホーム画面にあって、そこから一発で飛べれば良いのだが、そもそもカテゴリ一覧が、どこにも存在しない。
たとえば、欲しいアプリが明確ではない状態で旅行関係のアプリを探したかったら、ホーム画面をひたすら右にスクロールして旅行カテゴリまでたどり着かなければならない。
アホか。
この情報をグループ化した際にグループの一覧性が悪いというのはWindowsPhone7でも同じなので、ModernUIの共通問題かも知れない。ただWP7ではグループの一覧は見られないにしろ、横のスワイプでグループを移動して、縦でグループ内の情報を一覧するという操作なのでまだ使い勝手が良かった。
全てが横スクロールになったアプリが多いWindows8は使い勝手が低下しているとしか言えない。

驚いたことにEvernoteアプリも同じようなインタフェースになっている。通常のWindowsアプリと同じように3ペインで使えれば一覧性もアクセスもよかっただろうに、タイル状のインタフェースを使用しているため、非常に使い勝手が悪い。
例えばEvernoteは時系列状にノートを一覧することが多いのに、二次元にタイルが並ぶインタフェースは正直見づらい。視線の移動がおかしいことになっている。
Win8のモダンUIアプリはこういった、一次元的に並ぶべき情報が二次元に並ぶというデザインが多い。

むろんModernUIアプリで3ペインのインタフェースが作れないわけではない。そもそもデフォルトのメールアプリからして3ペインだ。なぜEvernoteがタイル状のUIを採用したのか理解に苦しむ。

・画面遷移が多すぎる。
コレは情報の一覧性が悪い問題とも関係あるんだろうけど、とにかく無駄に画面遷移させられる事が多い。Evernoteで言うと、ノートがタイルで一覧表示されて、そのタイルをクリックして画面遷移すると、ノートの全体が表示される。そこから別のノートを見ようと思うと、一旦一覧に戻ってまた別のノートを表示とかしないといけない。
暴動が起きるぞ。
これで各ノートの画面が情報多すぎて2ペインにも出来ないなら分かるんだけど、スカスカなんだよね... 余白大事かも知れないけど、使い勝手の方が大事だろ。

TweetroとかMetroTweetとかいったTwitterアプリも結構酷くて、とにかく無駄に画面遷移させられる。
総じて、各アプリに適切なインタフェースというのを考慮せずに、Windows8のテンプレ的なデザインに無理矢理押し込んでいるように見える。これはアプリ作成者が悪いのか、Microsoftが悪いのかは良く分からない。ただMicrosoft謹製アプリのほうがテンプレ的デザインが少ないように見える。
たぶん、そのうち良くなっていくんだろう。

・スナップ表示で小さい方の作りが微妙
コレもなー。なんでなんだろうな。Twitterアプリで言うとタイムライン表示してその画面から直接ツイートする、とかが出来ないんだよな。謎。
Skypeアプリはチャット画面表示してチャットをするのは出来るんだけど、スナップ画面で別のチャットルームに行くことが出来ない。割と意味不明。基本的にスマートフォンアプリと同じように作ってくれれば使いやすいのになると思うんだけどねえ。
コレも今後に期待。


まとめると、デスクトップとして使う分にはチャームとスタート画面を除けばちょっと使いやすくなったWindows7。ModernUIに関しては、OSはそれなりに良く出来ていると思うけど、アプリが全般的にクソ。今後に期待。
とりあえず気が向いたとき限定で使い続けようと思う
以上。