2012年12月02日

映画の感想

□ディクテーター
独裁者が身分を剥奪されて殺されかけるんだけど何とか逃げて、ニューヨークで暮らす羽目になるけど色々常識が分からなくて大変だけど、超絶善人思考のヒッピーのおねーさんを捕まえて、何とか上手いこと切り抜けてくという話だった。

こういう全く違う文化(といっていいのか分からんが)の人間が別の社会で戸惑って色々騒動を起こすというのはよく見る構成だけど、非常に良く出来ていたのではないかと思う。ヘリコプターに乗っているときに会話してたらテロリストと間違えられるシーンとか最高ですね。死刑されかけた人が独裁者の復帰を望んでいたりとか、いろいろひねってあったお陰で、風刺的なネタもわりと素直に受け取ることが出来た気がする。詳細は大分忘れたが。
エンディングのオチもいいですね。

ボラットも見てみようかな。

□アイアンスカイ
月からナチスが攻めてくるというアホな設定で大分前から話題になってて気にはなっていたので、公開すぐに見に行った。トレイラーの音楽もノリノリで良かったので。
月から攻めてきたカッコイイナチスを地球の人たちが協力して格好良く倒すという話だと思い込んで見に行っていたら、風刺映画でアレッってなったけど、普通に面白かったので、すごい良かった。
しかし、トレイラーが釣りすぎる。

半世紀近く月面の裏に隔離されて思想を純化していたナチスが地球に潜入することで文化的な摩擦が起きるけど、いがいにアメリカ文化もナチスと親和性高いよねーみたいなノリだった。選挙のシーンはとにかく笑ったわ。面白すぎた。
まんべんなく各国を馬鹿にしつつ、制作者の国だけ良い子しているのがさらにウケル。

戦闘シーンはもうちょっとカッコイイと良かったんだけど、まあ、そこは求めすぎかなあと言う気もする。続編作るという話もあるようなので、出たらまた見に行きたい。

□009 RE:Cyborg
映像は圧倒的にすごかった。すごいとしか言いようがない。セル風味の3Dでここまですごい映像になるんだというので感心してしまった。是非3Dセル風味のアニメ作品がもっと出て欲しいと思う。
しかし、見た後のコレは一体何だったんだ感は圧倒的だった。

全世界で連続テロがおきている、どうもこれはアメリカの軍産複合体の陰謀らしい、いやいや、どうもなんか神っぽいのがアメリカを操っているっぽいなー。神よ−、どうしてこんなヒドイ事をするんダー。いやいや、神様もそう悪いやつじゃないよ。The END。
という話だった気がする。

まあ...いいんだけどさ。正直、映像と音楽以外が残念すぎた。002の子供じみた嫉妬ととか陳腐なアメリカ批判、核ミサイルを前にしての009と002の謎の口論とその結果による核爆発とか唖然としたし、宇宙での009の叫びはめまいがさせられた。妄想彼女は一体何だったんだよ。

そしてラストのアレですよ。原作で例えると、ラストで002と009が地球に落ちてってなんか少女がお祈りした次のページに00サイボーグが全部集まって居酒屋で飲み会してイヤー、今回も大変だったな、乾杯!とか言っているシーンがあるようなもんだ。
舞-HiMEのラストに匹敵する卓袱台返しだった。呆然とした。

映像はマジすごかったし、核爆発から加速装置で逃げるシーンとか最高に格好良かったので、この映像でベタなハリウット映画的ストーリーを展開してくれたら大傑作になったと思う。残念。

あ、フランソワーズがエロかったのは良かったですね。

□ヱヴァQ
なんかこう、いろいろ考察しているのを読んでいると考察することの不毛感が半端ないので、エヴァ映像と雰囲気だけを楽しめば良いんだろう、という結論に至った。
しかしエヴァでなければクソ映画認定しなければならないであろう内容でも、エヴァだと普通に楽しめる。すごい。


□007 スカイフォール
特にプロフェッショナルを扱った作品において、登場人物の行動がアホに見えて、そしてそれに対して納得できる説明がないと、話を真面目に見る気が失われ、粗探しモードになってしまう。どんなに盛り上がれ演出になってものることが難しくなる。
007作品は初見だけど、超有能なプロフェッショナルなスパイが大活躍するカッコイイシリーズだという先入観だった。
残念ながら、スカイフォールにおいては007もMもマニーペニーも優秀なプロフェッショナルには見えない。どちらかというと、間抜けに見える。
敵も大して有能に見えないのに主人公サイドの抜けた行動で追い詰められていく。しかしやはり敵は優秀でないし気が狂ってるので何とか切り抜ける。そんな事の繰り返しで最後まで行ってしまった。正直言って、緊張感も何もない。途中からトイレに行きたくなったので、早く終わらないかなーと言うことだけ考えていた。

そしてこれはどういうことか理解できないのだが、ヒロインは結局Mだったのだろうか。いや、M大好きな敵からMを守るという筋書きからして、ヒロインはMなのだろう。良い雰囲気になったマニーペニーも途中に思わせぶりに出てきたアジアンビューティーも大して話には絡まなかった。なんとなく大人な雰囲気を醸し出したいという意図の元に繰り広げられた小洒落た会話などのネタに過ぎなかった。
それでいいのだろうか。

007とMの関係というのは過去のシリーズの積み重ねがあるのだろうし、007ファンにとっては良かったのかも知れない。そこはわからない。そこここに、旧作へのオマージュなんだろうなあと言うシーンがあったので、ファンを強く意識した作品なんだと思う。
ただ007初見の人間からすると、よく言って凡作としか言いようがない。
良かった探しをすると、OPの映像と音楽は良かった。